BTS Vのストーキング事件を ‘スルー’ してはいけない理由

BTS Vのストーキング事件を ‘スルー’ してはいけない理由

BTSのV ©Danmee

人気アイドルグループBTS(防弾少年団)のVがストーキング被害に遭った。

ソウル江南警察署が、ストーキング処罰法違反の疑いで30代女性のA氏を調査している事が分かった。

A氏は10月26日の夜、Vが乗るエレベーターに同乗し、声をかけたり、婚姻届を差し出すなどのストーキングを行った嫌疑を持たれているという。

その後A氏は逃走をはかったが、マンションの警備員からの通報で、警察に身柄を確保されたと見られる。Vに対するA氏の犯行は今回が初めてではないと警察は明かしている。

韓国芸能界で大きな波紋を呼んでいる「サセン」問題。

サセンとは、韓国語の「사생활(サセンファル = 私生活)」から来ている言葉で、芸能人の私生活まで追いかけまわすストーカーのようなファンのこと。

これまではファンによる単なるハプニングととらえる風潮が強かったが、最近、韓国大衆の認識に変化が現れているようだ。

そのきっかけとなった事件が、2022年9月に発生した「新堂駅(ソウル市中区)ストーキング殺人事件」。

ソウル交通公社の入社同期の男性から3年近くストーキングされていた女性が、駅舎内で残酷に殺害された事件である。犯人は、ストーカー行為を繰り返していたその男性社員だった。

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ストーキングと脅迫に苦しんでいた被害者は、警察に通報(2021年10月)したのだが、これに恨みつらみを抱いた男性が犯行を決心。結局、28歳の女性は凄惨な手口で命を奪われてしまった。

この事件後、韓国社会では、ストーキングに対する警察の微温的な対応に批判が集中。実は、被害者から通報を受けた警察は「証拠隠滅と逃走の恐れがない」と男性の身柄を拘束せず、両者の円満な解決を促すかのような対応を取っていたという。

男性は、解決を口実に女性に連絡を取り続けていたが、警察による積極的な制止はなかった。ストーキングに対する警察の積極的な対応が行われていたら、この殺人事件は未然に防げたのかもしれない。

韓国の犯罪心理専門家は、ストーキングがさらなる犯罪に発展する可能性が高いと指摘している。

韓国警察大学のキム・ソンヒ教授は、ストーキングが計画的な報復殺人に発展する可能性に言及。親密な関係だと思い込む相手に対して行う殺人の場合、一般の殺人事件より計画犯行の比率が3倍も高いと調査結果を公表している。

また、建国大学のイ・ウンヒョク教授は「愛情による強い妄想をしてしまう人は、自分が否定・拒否される状況に遭遇すると、暴力で相手を制圧しようとする」と、警鐘を鳴らしている。

これらの意見が、今回Vの事件を“スルー”してはいけない理由--熱血ファンによるハプニングと見なすには、さらなる犯罪に発展する可能性を大いに潜んでいるためだ。

(ライター/編集長コラム)

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